鉛白
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...2013/07/30 08:21...
白い色の元。顔料の事。明治時代の書物にその作り方が書いてあり密閉した容器に鉛とお酢を入れる。お酢を気化すると真っ白な粉が内部に張り付く。これが鉛白。この作り方、古代ローマ時代から知られていて例えば、ウィトルウィウスの「建築書」の中にも同じ製法が書かれている。
さて、その明治時代の本には更に鉛白の別の使われ方が書かれている。日本の伝統的な化粧品「おしろい」は鉛白で明治時代に売られていた白粉の商品名と鉛白の含有量が記載されている。
さて、化粧品として使って大丈夫なのかと言うと大丈夫ではなくて日本の女性の多くは鉛中毒による肝臓病で亡くなったと思われる方が多い。日本人ではないがエリザベス一世も鉛白の白粉を使用していたやはり鉛中毒と思われる症状で亡くなったようだ。
現在の白粉は、鉛白ではなくチタニウムホワイトが使われている。何時の頃からチタニウムホワイトに変わったのだろうという疑問を持っていたのだが昭和初期の「香料と化粧品製造法」という書物に昭和9年に内務省から鉛白の使用を止めるよう勧告されチタニウムホワイトに変わっていったようだ。
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